翌日私は飛行船に乗り、ヨークシンへと向かった。
サザンピースホテルでオークションカタログを購入してロビーで中を確認する。
あった!!ガセじゃなかったんや。
幻の銘酒セット・・・。
商品説明には3本のお酒の詳細は書いていなかった。
とりあえず、オークシャン参加の申し込みも済ませて足早にホテルをでて、目指すはククルーマウンテン。
キルアを迎えにいかなくては。
その前に手土産を探す。
シルバさんとゼノさんにはお酒。
ミルキにはお菓子の詰め合わせ。
キキョウさんにはレースの扇子。
カルト君には着物の帯締め。
イル兄には・・・。
面白グッズでいいや。
ミケにはジャーキー。
せっせと買い物を済ませて飛行船に乗り込む。
天空闘技場で稼いだら飛行船買おうかな・・・。
待つのが面倒かも・・・。
いくらくらいするんやろ・・・。
そんな事を考えながら飛行船での数日を過ごした。
「ん~なんかみんなに手間取らせるから自分で行くしいいよ。」
私はそう言って試しにミケを呼んでみる。
「ミケ~!!!
ミ~ケ~~~!!!」
すると恐る恐るミケが近づいてきた。
相変わらずフサフサした大きな尻尾は下がったまま。
「お~来た来た♪
賢いね~。
お土産にジャーキー買って来たんやった。」
私は鞄の中から特大ジャーキーを出してミケに差し出す。
それを見たミケは固まってしまっている。
「折角買って来たんやから・・・。
食え。」
私は少し声を低くして言うとミケは慌ててジャーキーを口に入れた。
「おいしい??もっといる??」
私はミケの鼻の頭をなでながらミケに持ってきたジャーキーを食べさせた。
全部食べ終わった頃にはミケも少しリラックスできたようで下がっていた尻尾は今や左右にパタパタと振っていた。
こうやって見るとミケもただの犬だな・・・なんて思ってしまう。
「ミケ、本邸まで連れてってくれへん?」
私がそう言うとミケは体を低くして背に乗れと言って来た。
「ミケ賢いなぁ~。良い子良い子♪」
私はミケの背中に乗ってゼブロさんに向かってあいさつをした。
「本邸まで行くって言っといてください~!」
そう叫んでミケの背に乗って本邸を目指した。
ミケふわふわで気持ち~~。
あっという間に目的地に到着したようで、ミケが崖の中に意図的に作ったであろう大きな扉の前で止まる。
「菜々実、お前の能力ってなんなんだ?
さっき門を閉めて来たって言ってただろう。」
「あ~。四聖獣♪
みんなおいで。」
私がそう言うとまだ可愛い姿のままで3体が出てきた。
「もう1体は今は試しの門の代わりをしてるから呼べんけど・・・。」
「こいつらは何ができるんだ?」
「ん~っと、シルバさん体験してみる??」
私はキキョウさんの用意してくれた、美味しいお酒とオードブルをいただいたおかげで若干・・・。
いや、かなり気持ちよく酔っている。
予想通りオードブルには毒が入っている。
いや、毒の中に料理があるような・・・。
でも味はとっても美味しい。
私は消化する際毒物だけを結晶化させて、吸収せずに排出する方法をっとた。おかげで毒の効果は一切関係なかった。
「楽しそうだな。親父も呼ぶか。」
「みんなで体感ゲームといきますか♪」
そう言って私とシルバさんはゼノさんを呼びに行って外へと出た。
「じゃーまずは白虎行っておいで。」
さっきの可愛い姿とは裏腹に2人共関心していた。
「なかなか立派じゃな。」
「ほ~ぉ。たいしたもんだな。」
私は嬉しくて白虎の背中に乗って宙を舞ってみた。
「ミケに乗ってた時の安定感はこれのおかげか。
普通なら振り落とされてもおかしくないでな。」
感心するゼノさん。
「じゃー次朱雀おいで」
出てきた朱雀に数本木を焼かせた。
「灰も残んねーのか。
証拠隠滅にもってこいだな。」
「じゃー次青龍。」
青龍を出してすぐに『水の揺り籠(ブルーBOX)』をシルバさん目がけて発動する。
「ほ~息もできるのか。
なかなか丈夫じゃねぇか。」
そう言いながらシルバさんは中で少し暴れている。
私は3体を回収して玄武の説明だけをした。
「これをたった2週間やそこらで習得したんなら大したもんじゃ。
先が楽しみじゃな。」
「この能力はなかなかいいな。」
2人に褒められて気分は最高潮だった。
部屋に戻ると椅子ではなくシルバさんの隣でソファーに座った。
するとまたまた質問攻めが始まった。
「キルアどこまでいったんだ?」
「どこまでもいってないから///」
思わず赤面してしまう。
恥ずかしくなって白虎(ミニ版)を呼んでふわふわの毛に顔をうずめててれ隠しをしていた。
シルバさんはタジタジになる私が面白いのか、それともホントに気になるのかキルアと私の事に関してかなり深く聞き出そうとしている。
あんまり聞くから思わずクッションをシルバさんの顔に押し付けた。
するとシルバさんは笑いながら後ろに倒れる。
私はそのまま覆いかぶさる様にしてクッションの上からボフボブと叩いていた。
するとクッションをどけて
「俺が悪かった、降参だ」という声と共にシルバさんに腕を掴まれた。
次の瞬間部屋のドアが開きキルアがドアを開けたまま固まっている。
「キル・・・」
「どーゆー事だよ!!
わかるように説明しろ!!!」
キルアが私とシルバさんを睨んでいる。
あれ??なんで睨まれてる?
私は睨まれている理由がわからなくて首をかしげていると突然シルバさんに抱きよせられる。
「シルバさん!ちょっと!」
私を無視してシルバさんはキルアに問いかけた。
「キル。
菜々実は俺が預かる。
能力といい、性格といい俺好みだ。今のお前にはもったいない。」
その言葉を聞いた瞬間キルアの目つきが更に鋭くなる。
「ちょっと!シルバさん!?」
私はシルバさんを見上げた。
はずだった・・・。
でも目の前にあったのはキルアの顔だった。
「はっはっはっはっはっは!!!」
それと同時に聞こえてきたのはシルバさんの大笑い、部屋中に響く程だった。
「大したもんだ。やっぱりお前は俺の子だ。」
状況に全く理解が出来ずにただ固まっている私の事は完全に無視状態。
「菜々実、隙だらけ。ってかお前隙しかねぇし。
しかも酒くせ~!
お前酔ってるだろ?」
「うん。酔ってる。
って言うかキルア?キルアやぁ~♪」
私は久しぶりのキルアの腕の中にいる事がうれしくて思わず首に抱きついた。
「親父と何やってたんだよ!?」
なぜか拗ねた表情でキルアは私のおでこにデコピンを一つ。
「痛っ!!う~何もしてないのに~。」
「なにもしてないじゃねーだろ!
イチャついてんじゃねぇよ!」
「イチャついてなんかいーひんもん!!!」
「わかったから、お前ら喧嘩は後でしろ。
菜々実、玄武戻していいぞ。
修理が終わる。」
「本間!?よかった~。」
私は試しの門の代わりをしていた玄武を引き戻した。
「お前らとっとと自分の部屋に行け。ゴン達はまだ数日かかる。」
「わかった。菜々実行こうぜ。」
そう言ってキルアは私の手を引っ張って部屋へと向かった。