お迎え×挨拶×酔っ払い?

 

 

 

 

翌日私は飛行船に乗り、ヨークシンへと向かった。


サザンピースホテルでオークションカタログを購入してロビーで中を確認する。

あった!!ガセじゃなかったんや。

幻の銘酒セット・・・。
商品説明には3本のお酒の詳細は書いていなかった。

とりあえず、オークシャン参加の申し込みも済ませて足早にホテルをでて、目指すはククルーマウンテン。

キルアを迎えにいかなくては。



その前に手土産を探す。

シルバさんとゼノさんにはお酒。
ミルキにはお菓子の詰め合わせ。
キキョウさんにはレースの扇子。
カルト君には着物の帯締め。
イル兄には・・・。
面白グッズでいいや。
ミケにはジャーキー。

 

 

せっせと買い物を済ませて飛行船に乗り込む。

 

 

天空闘技場で稼いだら飛行船買おうかな・・・。
待つのが面倒かも・・・。
いくらくらいするんやろ・・・。

そんな事を考えながら飛行船での数日を過ごした。

 

 

私はパドキア共和国に着くと、早速観光バスに乗ってククルーマウンテンへと向かった。


バスではココちゃんの観光案内を聞きながらワクワクしていた。


バスを降りて見物を始める観光客を横目に試しの門の前に立った。

現物を見ると思わず怯んでしまいそうになる。

その後ココちゃんにここで降りるからと笑顔で言うと顔が呆れている。

 
「ゼブロさん。
ゴトーさんに連絡して矢守菜々実が来たって報告してもらっていいですか?
私キルアを迎えに来たんです。
あとご家族に挨拶も。」

 
「悪いが連絡はしてみるけどきっと入るのは無理だよ。
さっきの奴らを見ただろう?」

 
「あ~ミケのご飯になった人達ですか?」

 
「ああ。あそこにある試しの門を開けて入らないとミケに侵入者として排除されてしまうんだよ。」

 
「開けて入れば問題ないんですよね?」

 
私は困ったと頭を掻いているゼブロさんに向って笑顔で答えていく。

 
「じゃーこうしましょう。
私が試しの門を開ければ執事室に連絡してください。」

「開けれたらね。
一つ聞いてもいいかい?」

「何ですか?」

 
私が門の前に立った瞬間ゼブロさんは突然質問してきた。

 
「もしかして君はゴンくんを・・・」

 
「そーやった!!ゴン達は??
まだ開けられてない?」

 
ゼブロさんの言葉を遮って叫んでしまった。

 
「あはははは!
やっぱりそーなんだね。
ゴンくん達はまだ開けられてないよ。
あともう少しだと思うから。」

「そっか。頑張れって伝えて下さい。」

「一緒に行かないのかい?」

「私は別の用事もあるので先に入ります。じゃーゼブロさん、さっきの約束忘れないでくださいね。」

 
私はそう言った後思いっきりドアを押した。

 

 

後々後悔するとも知らずに私は門を思いっきり、力加減なしで押してしまった・・・。


ドォォォン!!!!
ガラガラガラ!!!

物凄い地響きと砂煙。

私は一瞬なにが起こったか分からずに固まってしまった。


しばらくすると砂煙が落ち着いてまわりの状況がはっきり
してきた。


ゼブロさんは状況を見て絶句している。


なんと試しの門が力に耐えられずに壊れてしまったのだ。

左側はなんとか傾く程度で収まっているが無残なのは右側。

門は外れて今やがれきの山と化している。

 
「あっちゃ~。」

 
私は思わず頭を掻いていると、音を聞いて駆け付けたミケですら私を見て固まっている。

ミケを良く見ると長い尻尾が内巻きになってお腹にまでついている。

 
めっちゃビビってるし・・・

 
ミケと目が合うと数歩下がって逃げて行ってしまった。

 
あ~ミケに乗って本邸まで行こうと思ってたのに~!!

 
逃げられたものはしょうがない。

後ろを振り返るとこれまたゼブロさんもまだ固まったまま・・・。


 「ごめんなさい・・・潰す気は全くなかったんやけど・・・あはは・・・」
乾いた笑いをこぼしつつ後ろ頭を掻いた。

とりあえず門がないとかなり問題だろう・・・。
そう思って私は門の代わりに玄武で入口に蓋をして執事室に連絡してもらった。

 
数分もしないうちに到着したゴトーさんも、ごっそりと眉間に皺を寄せ、私を一睨みした後、なにやらゼブロさんと話している様子。

しばらくするとゼブロさんが帰ってくる。

 
「旦那様が本邸にご案内しろとの事なので私が執事室まで案内します。
その後執事長が本邸までご案内するとのことです。」


「ん~なんかみんなに手間取らせるから自分で行くしいいよ。」

 

 

 

はそう言って試しにミケを呼んでみる。

 

 

 

「ミケ~!!!
ミ~ケ~~~!!!」

 

 

 

すると恐る恐るミケが近づいてきた。

相変わらずフサフサした大きな尻尾は下がったまま。

 

 

「お~来た来た♪
賢いね~。
お土産にジャーキー買って来たんやった。」

 

 

 

私は鞄の中から特大ジャーキーを出してミケに差し出す。

それを見たミケは固まってしまっている。

 

 

 

 

「折角買って来たんやから・・・。

食え。」

 

 

 

私は少し声を低くして言うとミケは慌ててジャーキーを口に入れた。

 

 

 

「おいしい??もっといる??」

 

 

 

私はミケの鼻の頭をなでながらミケに持ってきたジャーキーを食べさせた。

 

 

全部食べ終わった頃にはミケも少しリラックスできたようで下がっていた尻尾は今や左右にパタパタと振っていた。

 

こうやって見るとミケもただの犬だな・・・なんて思ってしまう。

 

 

 

「ミケ、本邸まで連れてってくれへん?」

 

 

 

私がそう言うとミケは体を低くして背に乗れと言って来た。

 

 

 

「ミケ賢いなぁ~。良い子良い子♪」

 

 

私はミケの背中に乗ってゼブロさんに向かってあいさつをした。

 

 

 

「本邸まで行くって言っといてください~!」

 

 

 

そう叫んでミケの背に乗って本邸を目指した。

ミケふわふわで気持ち~~。

 

 

 

あっという間に目的地に到着したようで、ミケが崖の中に意図的に作ったであろう大きな扉の前で止まる。


すると扉の奥からシルバさんとゼノさんが出てきた。


「はじめまして!矢守菜々実と申します!!」

 
私は慌ててミケの背中から飛び降りて挨拶をした。

 
「ミケありがとう。後で遊ぼう。」

 
そう言ってミケの鼻先をなでると、ミケ尻尾を振りながらどこかに駆けて行った。

 
「試しの門を壊したのはお主か?」

 
「申し訳ありません。
力加減がわからなくて・・・。
一様私の力で扉は塞いできたんですが。」

 
そう言って謝るとゼノさんはかまわん。と言ってくれた。

 
「で、お前の目的は何だ?」

 
シルバさんは呆れたように私を見ている。

 
「キルアを迎えに来ました。
イル兄には伝えてあります。

あっ!これつまらない物ですが、皆さんに。」

 
そう言って買って来たお土産を手渡した。

 
「お前がイルミの言っていた奴か。」
「おお、わざわざすまんのぉ。」

「はい。それでキルアは?」

「キルアはまだ独房の中だ。」

「そうですか・・・。
じゃー待たせてもらってもかまいませんか?
なんならミケと遊んでますんで。」

 
そう言って恐縮しているとゼノさんが豪快に笑い始めた。

 
「私何か変な事言いましたか?」

「いやいや、すまん。
何せここに門は壊すは、ミケは手なずけるはで、今までそんな奴が来た事ないんでな。」

 
ゼノさんは優しい目を向けてくれる。

 
「少し話でも聞かせてくれ、キルの様子を聞かせてくれるか?」

 
そう言ってシルバさんに頭をなでられる。

きゃいん///幸せ!今なら死んでもいい!!!

私は満面の笑みで喜んでと答えた。

シルバさんに連れてこられた部屋は大きなソファーベットが置かれていた。

対面するように数脚の椅子が置かれていた。

私は椅子に腰かけるとシルバさんのご希望通りハンター試験でのキルアの事を報告した。

「はっはっはっはっは!!!」

 
豪快に笑うシルバさん。

 
「あいつも一様男だからな。」

「そーですね。まだまだ子供ですけど。」

 
そう答えながら終始なごんだ雰囲気だった。
すると突然ドアが開いた。

 
「良かったらお飲みになりますか?」

 
私たちの様子を見ていたのか見ていなかったのか。
何とも絶妙なタイミングでキキョウさんが飲み物を持って来てくれた。

 
「ありがとうございます。」

 
私がお礼を言うと

 
「何だかとっても楽しそうです事。

それよりあなた?
キルが独房に入っているって言うのにのんきですことね?」

 
キキョウさんは悪意むき出しで訪ねてくる。

 
「あ~ぁ。
だってキルアが納得して入ってると思うので。
出たくなったら勝手に出てくるんじゃないですか?」

 
笑顔で答えるとキキョウさんは言葉を失っていた。

 
「はっはっは!!
菜々実、キルの事がよく分かってるな。さすがと言うべきか?

キキョウ酒持ってこい。菜々実、気に入った。
俺に付き合え。」

「ホントですか??
喜んで付き合います!」

 
私が勢いよく答えると、キキョウさんは呆れた素振りを見せながら部屋を出て行った。

その後シルバさんに雑談と言う名の質問攻めに合う事になるとも知らず。


 

 

「菜々実、お前の能力ってなんなんだ?
さっき門を閉めて来たって言ってただろう。」

「あ~。四聖獣♪
みんなおいで。」

私がそう言うとまだ可愛い姿のままで3体が出てきた。


「もう1体は今は試しの門の代わりをしてるから呼べんけど・・・。」

「こいつらは何ができるんだ?」

「ん~っと、シルバさん体験してみる??」

 

 

私はキキョウさんの用意してくれた、美味しいお酒とオードブルをいただいたおかげで若干・・・。
いや、かなり気持ちよく酔っている。

 

予想通りオードブルには毒が入っている。
いや、毒の中に料理があるような・・・。
でも味はとっても美味しい。

 

 

私は消化する際毒物だけを結晶化させて、吸収せずに排出する方法をっとた。おかげで毒の効果は一切関係なかった。

「楽しそうだな。親父も呼ぶか。」

「みんなで体感ゲームといきますか♪」

 

 

そう言って私とシルバさんはゼノさんを呼びに行って外へと出た。

 

 

「じゃーまずは白虎行っておいで。」

 

 

 

さっきの可愛い姿とは裏腹に2人共関心していた。

 

 

「なかなか立派じゃな。」

「ほ~ぉ。たいしたもんだな。」

 

 

私は嬉しくて白虎の背中に乗って宙を舞ってみた。

 

 

「ミケに乗ってた時の安定感はこれのおかげか。
普通なら振り落とされてもおかしくないでな。」

 

 

感心するゼノさん。

 

 

「じゃー次朱雀おいで」

 

 

出てきた朱雀に数本木を焼かせた。

 

 

「灰も残んねーのか。
証拠隠滅にもってこいだな。」

「じゃー次青龍。」

 

 

 

青龍を出してすぐに『水の揺り籠(ブルーBOX)』をシルバさん目がけて発動する。

「ほ~息もできるのか。
なかなか丈夫じゃねぇか。」

 

 

 

そう言いながらシルバさんは中で少し暴れている。

私は3体を回収して玄武の説明だけをした。

 

 

「これをたった2週間やそこらで習得したんなら大したもんじゃ。
先が楽しみじゃな。」

「この能力はなかなかいいな。」

 

 

 

2人に褒められて気分は最高潮だった。

 

 

 

部屋に戻ると椅子ではなくシルバさんの隣でソファーに座った。

するとまたまた質問攻めが始まった。

 

 

 

「キルアどこまでいったんだ?」

「どこまでもいってないから///」

 

 

思わず赤面してしまう。

恥ずかしくなって白虎(ミニ版)を呼んでふわふわの毛に顔をうずめててれ隠しをしていた。

シルバさんはタジタジになる私が面白いのか、それともホントに気になるのかキルアと私の事に関してかなり深く聞き出そうとしている。

あんまり聞くから思わずクッションをシルバさんの顔に押し付けた。

するとシルバさんは笑いながら後ろに倒れる。

私はそのまま覆いかぶさる様にしてクッションの上からボフボブと叩いていた。

するとクッションをどけて

 

 

 

「俺が悪かった、降参だ」という声と共にシルバさんに腕を掴まれた。




次の瞬間部屋のドアが開きキルアがドアを開けたまま固まっている。

 

 

「キル・・・」
 

 

「どーゆー事だよ!!
わかるように説明しろ!!!」

 

 

キルアが私とシルバさんを睨んでいる。

 

 

あれ??なんで睨まれてる?

 

私は睨まれている理由がわからなくて首をかしげていると突然シルバさんに抱きよせられる。

 

 

「シルバさん!ちょっと!」

 

 

私を無視してシルバさんはキルアに問いかけた。

 

 

「キル。
菜々実は俺が預かる。
能力といい、性格といい俺好みだ。今のお前にはもったいない。」

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間キルアの目つきが更に鋭くなる。

 

 

「ちょっと!シルバさん!?」

 

 

私はシルバさんを見上げた。

はずだった・・・。

でも目の前にあったのはキルアの顔だった。

 

 

 

「はっはっはっはっはっは!!!」
 

 

 

 

それと同時に聞こえてきたのはシルバさんの大笑い、部屋中に響く程だった。

 

 

 

「大したもんだ。やっぱりお前は俺の子だ。」

 

 

 

状況に全く理解が出来ずにただ固まっている私の事は完全に無視状態。

 

 

「菜々実、隙だらけ。ってかお前隙しかねぇし。
しかも酒くせ~!
お前酔ってるだろ?」

「うん。酔ってる。
って言うかキルア?キルアやぁ~♪」

 

 

私は久しぶりのキルアの腕の中にいる事がうれしくて思わず首に抱きついた。

 

 

「親父と何やってたんだよ!?」

 

 

なぜか拗ねた表情でキルアは私のおでこにデコピンを一つ。

「痛っ!!う~何もしてないのに~。」

「なにもしてないじゃねーだろ!
イチャついてんじゃねぇよ!」

「イチャついてなんかいーひんもん!!!」

「わかったから、お前ら喧嘩は後でしろ。
菜々実、玄武戻していいぞ。
修理が終わる。」

「本間!?よかった~。」
 

 

 

私は試しの門の代わりをしていた玄武を引き戻した。

 

 

「お前らとっとと自分の部屋に行け。ゴン達はまだ数日かかる。」

「わかった。菜々実行こうぜ。」

 

 

 

そう言ってキルアは私の手を引っ張って部屋へと向かった。

 

 

 

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