ヤキモチ?×愛情?×仲直り

 

 

☆…になりますので15未満の方はご遠慮ください。

 

 

 

 

私たちはキルアの部屋へとやってきた。


ソファーに座ってキルアに会ってから気になっていた頬を見て少し眉が下がるのを感じた。

 

 

「ほっぺた痛そう。」

 

 

そう言ってそっとキルアの頬に手を当てた。

頬には鞭で打たれた時に切れたであろう傷。

まだ傷口には血がにじんでいる。


 

「別に平気。慣れってやつ?
これで痛そうとか言ってたら同じようなの体中にあるぜ?」

「う~。考えただけで痛い。」

 

 

私は思わず想像してしまって自分の体を抱きしめた。

 

 

「菜々実が痛がってどうすんだよ。」

 

 

キルアは笑いながらソファーに寝っ転がる。

 

 

「そー言えば兄貴がさ、菜々実が面白いって言ってたんだけど、
何んのこと?」

「面白い???
・・・。
あ~ぁ(笑)
イル兄に『友達がいて何が悪い』って話したからかな??」

「いつの間にしゃべったんだよ?」

「ん~1週間くらい前にヒソカとイル兄と焼肉食べに行った。」

別にどって事ない事だと思って包み隠さず私は答えた。
するとソファーに寝っ転がっていたキルアはガバッと身体を起こすとそれはも~恐ろしいぐらいの笑顔を向けてくる。


ん??この顔は・・・。

一瞬にして背中や額に大量の冷や汗が流れる。

 

 

 

「あっあっあのっ・・・その・・・
どうしたのかな?キルアくん・・・・・?」

 

 

私は嫌な予感を感じて少しずつ後ずさるが、座っているのはソファーの上。
数十センチ移動出来ただけですぐにソファーの肘当てに背中があたってしまった。

逃げられない!!!

覚悟して思いっきり目を閉じた。





あれ??あれれ??

でこピンなり、摘ままれるなり、押し倒されるなり・・・etcを想像したのになぜか何にも起こらない。

恐る恐る片目を開けると目の前にはキルアの度アップ。
びっくりして両目を見開いた瞬間、私はキルアの腕の中にいた。

「え??あれ??
怒ったんじゃないの???」

「怒ってる。すんげぇ怒ってる。」

「それなら何で私・・・」
 

 

「兄貴と言いヒソカと言い親父と言い・・・。
お前ふらふらし過ぎ!!!」

 

 

 

思いっきり抱きしめられて思わず苦しくなってしまう。
でも2週間ぶりのキルアの腕の中は暖かくて、優しくて、幸せだった。

「心配???」

 
私がそう聞くとキルアは小さな声でうんと答えた。
それがあまりにも可愛くて私はキルアの背中に腕をまわした。

 
「菜々実・・・」

 
呼ばれて顔をあげるとさっきの恐ろしいくらいの笑顔が私を見下ろしている。

 
「え?あれ?」

「ってそれで許されると思うなよ。」

「え?え?えぇぇぇ??????」


私をヒョイっと持ち上げるとそのままベットへと向かって歩いて行く。
 
「待って!待って!落ちる~~~!」

「落とすわけないじゃん。
暴れたら落ちるかもだけど。」

そんな事言われてしまったら暴れるに暴れられない・・・。
私は大人しくキルアに運ばれ、トサっとベットに下ろされるとそのままキルアが私に覆いかぶさる。

「あの・・・。」
 
「もー黙ってろよ。
お仕置き。今回はマジで許さない。
迎えに来るって言っときながら、来たのは2週間以上も経ってからだし、その間何してんのかと思ったら、ヒソカや兄貴と飯食ってるし。
迎えに来たかと思ったら親父と飲んでイチャついてるし。」

「あれは!」

「却下。」

 
キルアは私の言い分すら聞いてくれずに口を塞がれた。

 
「んっ」

 
突然の甘い刺激に私は飛行船での出来事を思い出し、みるみるうちに私は赤くなってしまう。

良い年こいてと思われるかもしれない。
相手は子どもなのにって。

でも普段は子どもなのにキルアはこういう時完全に男の顔になっている。
そんなキルアに翻弄されて余計に恥ずかしくなってしまう。

それと私自身、心の中で半分はまだって思ってブレーキをかけている。
でも半分は私自身がキルアとこうなる事を望んでいる。

結局いつも負けてしまいそうななかブレーキをかけてこれたけど
前回はゴンのおかげと言うべきか・・・。

でも今回はだめかもしれない。
離れていた分のキルアの愛情を感じたい。
触れたい。
触れてほしい。

私はキルアの首に手を回す。

それを合図にキルアの口付けはどんどん深くなる。

お互いが相手の熱を求めていく。

私はあっという間に裸にされていく。
 

 

 

 

「んっ やっ・・・ あ・・・!」
 

 

 

津波の様に押し寄せる快感に身体を捩る。

身体には赤い花が何か所も咲いていた。

「キル・・・ア・・・」
 

 

 

私はキルアを呼んで上を向かせた。

「俺止めないよ。諦めて。
菜々実が悪い。お仕置きだって言ったじゃん。」

「お願い・・・も・・・やめ、て・・・」

 

 

そう言って見つめるキルアに私は首を横に振った。

 

 

「いやだ・・・。」
 

 

 

そういってキルアは更に強い刺激を私の身体に与えていく。

どれ程の時間私はキルアの腕の中で弄ばれたのだろうか。
何度意識を手放しても、気付けばまた快楽の波にのまれていく。



ふと目が覚めると私はキルアの腕のなかにいた。

鉛の様に重い身体と倦怠感。

結局キルアは最後まで私を抱かなかった。
その真意がわからない。

ただ触れる手も唇も目も怖くなるほど優しかった。

顔をあげてキルアの頬にキスをし、まだ幼い寝顔が愛おしくて、まだぼんやりする頭でただ見つめていた。


「見とれてんの?
それともまだお仕置きされたいの?」

 

 

寝てると思っていたのにパチっと目があいて微笑まれる。

「いつから起きてたん?」
 

 

「菜々実が起きる前。
お前起きる前にごそごそするから目覚めた。」

「それは失礼しました。」
 

 

 

私は苦笑いを浮かべた。

 

 

「何か飲む?」
 

 

「うん。干からびそう。」

「あはははは!あんだけ喘いだらホントに干からびるかもな(笑)」

 

 

キルアはそう言って笑いながらテーブルの上の水を持って来てくれた。

 

 

「う~~~。キルアがした癖に・・・。」
 

 

「ふ~ん。まだ反抗するんだ。」

 

 

そう言って私が飲もうとした水を奪うと自分の口へと流し込んだ。

 

 

「んっ!」

そしてそのまま私に口移しで飲ませた。

 

 

「も~!!!」
 

 

 

私は水を喉の奥に流し込むとキルアの胸を押した。

「そんな顔するなよ。
俺我慢してんだから・・・やばくなるじゃん。」

「え????」

「菜々実がまだ嫌だって言うから最後までしなかったんだぜ?
なのにそんな挑発する様な顔するなってーの!」

そう言ってでこピンされる。
キルアは赤い顔をしてあっちを向いている。

 

 

「キルア・・・。」


私はキルアの気持ちが嬉しくて、大事にされてるんだと心の底から実感した。

 

 

「私、この世界に落ちてきてこっちのお金持ってなかったからさ。」

 

 

私が突然話し始めた内容が唐突過ぎて、理解できない様な顔でキルアは聞いている。
そのまま私はこの空白の2週間の事をキルアに話した。
もちろんシルバさんとのやり取りも。



「な~んだ。じゃー俺別に心配する必要なかったってことじゃん。」

「そーなのです。だから私はお仕置きされる云われは・・・」

「ある。理由がどうであれ、やってる事に変わりはないから、お仕置きは必要。」

 

 

あまりにはっきり言い切られて反抗もできない。
何とか仕返しを考えたいけど、確かに今回は私が悪い・・・。気がする・・・。


「!!!」

 

 

私はキルアにキスしながらそのまま後ろに押し倒した。

反動で羽織っていた布団がめくれて素肌が露わになる。
目を見開いて声にならない声を上げたキルアにかまうことなく、
私は自分の身体と同じ様にキルアの身体に無数の花を散りばめた。


2人で額をくっつけて笑った。


それから1週間程私はゾルディック家で過ごした。

 

みんなで食事をしたり、
ミルキとアニメやゲームの話をしたり、
ゼノさんに稽古をつけてもらったり、
シルバさんとお酒を飲んだり、
カルトちゃんと散歩したり、
キキョウさんに元いた世界の料理を教えたり、
イル兄に遊んでもらったり、
ミケとお昼寝や散策をしたり。

あっという間に時間は過ぎて行った。
ただ毎日目を覚ますと必ずキルアの腕の中にいた。

それがとっても幸せで嬉しかった。


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