「おはよ~。」
受験者控室に入るとみんな揃っていた。
「菜々実おはよう。
ねぇキルア知らない?
俺探してみたんだけどいないんだよ。」
ゴンが心配そうな顔で私に聞いてきた。
「キルアならさっき廊下ですれ違ったけど??」
そう言うとゴンはありがとうと言い残して嬉しそうに部屋を出て行った。
ふと部屋の隅に目をやるとヒソカが笑顔で軽く手を振っている。
声に出さずに口だけでおはようと告げた。
「2人ともちゃんと寝れた?」
「ばっちりよ!」
「問題ない。」
2人は昨日の疲れを残さないすっきりとした笑顔でこたえてくれた。
さっ!!トリックタワーか。私どーなるんやろ??
そう思いながら私たちは三次試験会場到着を待った。
★☆★☆★
数時間後。
「うむ。出来の良い弟子を持つと師匠は楽じゃのぉ~。」
「出来が良いか悪いかはわからんけど、やる気はまだまだ!(笑)」
すんなり絶と練をこなせた自分に少し満足する。
「自然と少し身についとったんじゃな。ではこれより水見式に入る。」
きっと私は強化系・・・。
意外と自信があったりなんかして。
「希望というか、自分の能力を決めておるのか?」
「まだ具体的には決めたないですけど、系統に左右されると思うので。」
そう答えると会長は満足そうにひげをなでた。
「賢明じゃな。では始めよう。やり方は知っておるな?」
「はい。錬を行いながら、グラスに手をかざすんですよね。」
そう言うと会長は首を縦に振った。
私はグラスに手をかざす。
するとグラスの水が増えていく。
やっぱり強化系か。
そう思った瞬間浮かんでいた葉が成長して花が咲く。
はい!?特質ってこと??
会長に目を向けると目が落ちそうなほど見開いている。
「あの・・・。私特質って事ですか???」
「そうじゃの。ただ強化系が抜きんでておるようじゃがな。」
「やっぱり強化系(笑)」
「でわ、次の修行にうつるとするか。
3時間やろう。自分の能力を決めるんじゃ。出来る事ならあと15時間ある。形にくらいお主ならできるかもしれんのぉ。」
そう言って笑いながら会長はどこかへといった。
「成果の程はどーかの?」
会長が現れた。
私は2時間ほど前に発をマスターしていた。
会長に笑顔を向けるとそのままあるものを見せた。
「青龍・朱雀・玄武・白虎おいで。」
そう言って言葉にした瞬間4つの生き物が姿を現した。
水の龍である青龍
火の鳥である朱雀
土の亀である玄武
白い虎である白虎
現物より少し可愛い見てくれの四聖獣達だった。
「ほ~ぅ。で、こ奴らの能力は」
「一匹ずつ紹介しますね。
青龍おいで。」
私が呼ぶと手のひらに可愛い30センチ程の龍が乗る。
次の瞬間。
3メートルを超える巨大な水龍の姿となり私の体に絡みついた。
「これはこれは。」
感心する会長。
しかしその瞬間、会長に向って襲いかかる。
青龍は会長を飲みこんでしまった。
油断していたのか、体感したかったのか会長は飲み込まれた青龍の中でびっくりした顔をしていた。
すぐさま私は青龍を元の可愛い身体へと戻す。
「水の中にいるのとまったく同じになるということか。」
関心した様子の会長に私は満足した。
「私の考えによっては呼吸も可能です。閉じ込めるだけって事も出来ます。
次朱雀おいで。」
次に朱雀。
呼ぶなり肩にに止まる。
行っておいでと言うとまたもや会長向って飛び出す。
大きな羽を広げて青龍と同じように巨大化する。
会長の服を掠って飛んだ。
掠った服の部分は燃えてなくなっていた。
「この子は火の球も吐けます。この二匹が攻撃です。
玄武おいで。」
土の姿の亀はその場から動かない。
次の瞬間、大きな鉄の壁が私を守るように現れる。
「そちらからは見えないですが、こっちからはちゃんと会長が見えるんですよ。こっちに来て観て下さい。」
そう言うと会長は私の隣にやってきた。
「見事じゃな。」
「向こうから攻撃してもらっていいですか?」
会長は逆に戻って玄武に向かってこぶしに念をこめて打つ。
びくともしない玄武。
「ふふふ。では最後に白虎おいで。」
そう言うと小さな白い虎は2メートル程の姿となり私の元へ来る。
私は白虎にまたがるとそのまま駆けるように宙を舞う。
「移動型ですね。
牙や爪での攻撃も可能です。
青龍や朱雀ほどの攻撃力はありませんが。」
「うむっ!合格じゃ!
それにしてもお主、それはオーラを具現化しておるのじゃな?」
「はい。白虎以外は更に出来る限り個体を強化してあります。」
「ほっほ~。4体共出しておってオーラの消費に問題はないようじゃな。」
「はい。会長がお見えになるまで四匹と遊んでたんですが、全部で10時間ほど出しっぱなしです。
ほとんど疲れた感覚もありませんし。」
「大したもんじゃ。
黒いオーラは特質中の特質にオーラの量がとめどないと言うことじゃったんじゃな。」
会長は良い物を見せてもらったと楽しそうに送りだしてくれた。
開けられたドアの奥は階段になっていて、私は白虎に乗って階段を降りて行った。
「無事到着!」
直前で白虎から降り自力でドアを開けゴールの部屋へと入った。
次の瞬間、キルア達はものすごいスピードでドアを破って出てきた。
「お疲れ様。」
私はみんなを笑顔で迎えた。