試合を見終わって私達はホテルへと戻ると幽助は楽しそうに蔵馬と話していた。
「蔵馬、鳴鈴実の守護者知ってるのか?」
「ええ、桑原君も会場に行く前に鳴鈴実に教えてもらってましたよ。
ね?桑原君。」
そう言って蔵馬は桑原君を見ると、当の本人はソファーに座ってウンウン唸っていた。
「おい桑原、どうしたんだよ!?」
「い、いや、鳴鈴実ちゃんの守護者が飛影だって言うからさぁ~。
俺騙されてんのかと思うんだけど、でも確かに飛影の胸んとこに確かにあったんだよな~…」
「おい!お前今何ていった!!??」
幽助は桑原君の胸ぐらを掴んでブンブン振りながら言い合いを始めた。
私と蔵馬はそのやり取りを笑いながら見ていると、飛影は面白くないと言わんばかりの不機嫌な顔でいつも座っている窓際へ向かった。
しばらく続いたやり取りの末、幽助は飛影の目の前に立って徐に手を伸ばした。
「おい!何やってやがる!?」
「いいから見せろって!!
俺も自分でみなきゃ信じられねぇ!!」
そう言って飛影を脱がし始める。
「お前殺されたいのか!?」
必死で抵抗している飛影に追い打ちをかけるように桑原君までもう一度確かめると言って参戦していた。
私と蔵馬相変わらず笑いながら見ていると飛影は脱がされた状態でこっちを睨んでいた。
「おい!蔵馬!この馬鹿どもをどうにかしろ!!
そんなに俺が鳴鈴実の守護者だと都合でもわるいのか!!!!」
「鳴鈴実の守護者を探すと決めた時に俺を振ってまであなたがいいと鳴鈴実が言い張ったんでね。
諦めて下さい。俺もあなたが守護者になった事は少しびっくりしたんですから(笑)」
蔵馬はそう言ってコーヒーを一口飲んで私に微笑んだ。
「ま~私もびっくりしたからしょうがないか(笑)」
すると幽助と桑原君の大きなため息が聞こえてくる。
その後は大きな笑い声に包まれていた。
「鳴鈴実!!よかった守護者がついてさ!
こいつ捻くれてるけど、強さはまちがいねぇよ!」
「ちぇっいいとこもっていきやがって!」
私は2人の声に答えるように満面の笑みで大きくうん!っと返事をした。
「まったく失礼な奴らめ。」
いつの間にか服を来た飛影が私の隣へとやってきてドサッと座った。
「しょーがないでしょ。
だって飛影が引き受けるとは私も思ってなかったし(笑)」
「そーですよ。コーヒーのみますか?」
蔵馬は笑いながら飛影にコーヒーを差し出すと、飛影は何も言わずに口をつける。
「ふん。それよりコエンマの奴や霊界に報告に行かなくてもいいのか?」
「行かなきゃいけない。
私が2個持ってる事は昨日ジョルジュが報告にいってるし。」
「ならさっさと行って来い。」
「鳴鈴実一人で行かすんですか?」
「うん。だってみんな試合あるし。それに飛影はやる事もあるしね。」
「気を付けて行け。」
そう言って飛影はフッと優しい笑みを浮かべた。
「うぉぉぉぉ~~~!!!
おい!今飛影が笑ったぞ!!」
幽助がその一瞬を見逃さなかった。
「え?飛影良く笑ってくれるけど?優しい、心配も…!!」
言い終わる前に飛影に手で口を覆われた。
「余計な事を言うな。
お前は黙ってろ!」
そう言って軽く睨まれたあと、そっと手を放してくれた。
「ごめん…。」
「まーまー。いいじゃないですか?飛影も男だったと言う事なんですから。」
そう言って蔵馬は飛影をなだめたかのように見えたが、
「どーゆー意味だ?」
「あれ?付けた本人は無自覚ですか?刺青以外に自分のものだって証大量に付けといて。」
そう言って笑いながら言いながらも蔵馬の目は笑っていなかった。
それを見た瞬間飛影はプイっとそっぽを向いてしまった。
その耳が赤くなっている事に気付いた幽助・桑原くん・蔵馬の笑声は当分部屋に響いていた。