20 蜘蛛と海月のランデブー再開! その2

 

 

 

 

 

「何考えてんだ、クロロこの野郎!!」

 

 

 

 

 

 

「相手はゾルディック家に嫁ごうって女だぜ!?」

 

 

 

 

 

 

「手ぇ出すならもう少し相手を考えろつーんだよ馬鹿!」

 

 

 

 

 

 

「そうね、この馬鹿!!」

 

 

 

 

 

 

切り込み隊長はノブナガさん&ウボォーさん。

 

 

 

 

 

 

続いて詰め寄るフィンクス&フェイタンさん。

 

 

 

 

 

 

「団長……」

 

 

 

 

 

「泣かないで……パク」

 

 

 

 

 

「このエロ親父……!」

 

 

 

 

 

「右に同じ」

 

 

 

 

 

思わず目頭を押さえるパクノダさんを、優しく慰めるコルトピさん。

 

 

 

 

 

そして、氷よりも冷たい視線を送るマチさん&シズクさん。

 

 

 

 

 

「うーん……久しぶりに会ったが、変わってないな、団長は」

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

なんだか感慨深い面持ちのフランクリンさんと、包帯で表情のわからないボノレノフさん。

 

 

 

 

 

「あははー、非難囂々だね。まあ、それは俺も同じなんだけどさ」

 

 

 

 

 

シュピン、と例の携帯のアンテナを手に、笑顔で脅すシャルナークさん……まあ、詰まるところは。

 

 

 

 

 

「全員反対か?」

 

 

 

 

 

「あったりめーだろ馬鹿っ!!」

 

 

 

 

 

くりっと首を傾げるクロロ団長に、声を揃える蜘蛛一同。

 

 

 

 

 

私も、是非反対票を投じたいところだ。

 

 

 

 

 

しかし、クロロ団長は動じない。

 

 

 

 

 

反対票11名に対し、徹底抗戦の構えである。

 

 

 

 

 

「何故だ? 昨日といい今日といい、ポーの強さは申し分ない。能力を奪おうとして、逆に喰われたのは初体験だ。非常に興味深い。イルミにやるのは惜しいし、能力を奪うのが無理なら能力者ごと奪えばいい話だ」

 

 

 

 

 

「蜘蛛は13人だって決めたのはアンタだろ、団長!」

 

 

 

 

 

「今は抜け番もいないし、そもそも推薦枠がないよ。諦めるんだね」

 

 

 

 

 

ウボォーさん、シャルナークさん、正論です……!

 

 

 

 

 

ふむ、とクロロ団長。

 

 

 

 

 

しばらく思案した後、ぴっと指を一本立て。

 

 

 

 

 

「じゃあ、4番とチェンジだ。あいつは普段からサボリも多いし、仕事態度も悪いし、今も集合時刻に間に合っていない。よって、団長権限として制裁を加え、強制退団とする――以上だ」

 

 

 

 

 

へ?

 

 

 

 

 

 

「4番とチェンジだって……?」

 

 

 

 

 

 

「あー、それならまあ文句ねぇか」

 

 

 

 

 

 

「ク……ッ、その手があったね」

 

 

 

 

 

4番……って言ったら、もしかしなくてもあの人のことか?

 

 

 

 

 

 

「ちょー―っと待って下さいっ!!」

 

 

 

 

 

 

あっぶない。

 

 

 

 

 

 

今、マチさんとノブナガさんとフェイタンさんの心が完全に傾いた……!!

 

 

 

 

 

 

思わず片手を挙手して立ちあがった私を、クロロ団長は不思議そうな顔で見つめてくる。

 

 

 

 

 

 

「何だ、新入り」

 

 

 

 

 

「新入ってません……! 黙って聞いてたら、なんでそういう話になっちゃってるんですか!? 私は殺し屋さんじゃないって言ったじゃないですか! 海洋生物学者なんです、ディープシーハンターなんです! 陸の上で盗賊家業なんて、できるわけないです!」

 

 

 

 

 

「やってみれば意外と向いているかもしれないぞ」

 

 

 

 

 

「いや、殺し屋さんにだって向いてないっていわれてるのに……」

 

 

 

 

 

そう言えば、とシャルナークさんがタブレットを片手に近づいてきた。

 

 

 

 

 

画面には、私の顔写真が映し出されている。

 

 

 

 

 

「これって、君のこと?」

 

 

 

 

 

「あ、はい。そうです……ハンター専用HPですか、これ」

 

 

 

 

 

そうそう、確か、シャルナークさんもハンターライセンスを持っていたよね。

 

 

 

 

 

ウボォーさんを手伝って、鎖野郎を見つけ出すときに使っていたはずだ。

 

 

 

 

 

「深海専門の海洋生物ハンター、ポー。今年行われたハンター試験をルーキーで合格した後、パドキア共和国デントラ港を拠点に数多のプロ、アマチュアハンターを率い、爆発的に勢力を伸ばしている超新星。その目覚ましい功績は多岐に渡り、なんとライセンス取得半年でダブルハンターに飛び級昇格……って、書いてあるけどこれ本当に君のことなんだよね?」

 

 

 

 

 

「ええっと……はい、すみません」

 

 

 

 

 

「なんで謝るの?」

 

 

 

 

 

「え、笑顔が怖くて……!」

 

 

 

 

 

――はっ! 心の声が思わず口に出たっ!

 

 

 

 

 

きょとん、としたシャルナークさんの後ろで、ノブナガさんとウボォーさんが吹きだした。

 

 

 

 

 

「だっははははは! 見抜かれてやんの、シャル!」

 

 

 

 

 

「シャルの見かけに騙されんなよ、嬢ちゃん!」

 

 

 

 

 

「うわー酷い。少なくとも俺は女の子相手に殴りかかったり斬りかかったりしないよ?」

 

 

 

 

 

そのかわり、アンテナぶっ刺して自殺させるくらいのことは軽くやっちゃいそうな気がするんですけどね……。

 

 

 

 

 

「ええっと、だからつまりその、私は日常的に深海で生活してますし、念能力も深海での活動に特化しています。だから、陸の上じゃろくに力を扱えないんですよ。昨日みたいに意識を失う暴走もするし、今みたいに、自分の能力に振り回されたりもします。ご迷惑をおかけすることも多いと思うので、蜘蛛への入団は謹んでお断りを……!」

 

 

 

 

 

「ジャポン人か? だが、俺はお前の能力が欲しい。お前の能力は蜘蛛に必要な力だと評価する。諦めるつもりはない」

 

 

 

 

 

「すると……クロロ団長さんが欲しいのはあくまで私の能力で、それが手に入れば、私はイルミの元に帰っていいってことですね?」

 

 

 

 

 

「まあ、はっきり言ってしまえばそうだな……フッ、だが、お前自身に全く興味がないというわけではないが」

 

 

 

 

 

再び、私のほっぺたに触れようとした団長さんの手であるがしかし、念の糸がギッチリと絡んで阻止された。

 

 

 

 

 

「ああ、ゴメンね団長。ついうっかり」

 

 

 

 

 

「いや、気にするな。問題ない」

 

 

 

 

 

若干、ひきつった笑いを浮かべるクロロ団長……うーん、まずい。

 

 

 

 

 

ヒソカさん、どんだけ嫌われているんだか。4番とチェンジするという団長案に対し、さっきまでのブーイングの嵐が嘘のように収まり、団員達の反対の声が止みつつある。

 

 

 

 

 

ゆゆしき事態である。

 

 

 

 

 

私は、海洋生物学者だ。

 

 

 

 

 

このオークションで夢の空母を手に入れ、更なる未知の海域へこぎ出さなくてはならない。

 

 

 

 

 

イルミが欲しい物はなんでも買ってくれると言ってくれた、この好条件を逃せば、空母を手に入れるチャンスなんて二度と訪れないかもしれない。

 

 

 

 

 

だから、こんなところで盗賊なんてものになるわけにはいかないのに……!

 

 

 

 

 

 

「……わかりました」

 

 

 

 

 

ゆらり、とクロロ団長の前に進み出る。

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

ぽかん、としたその表情に、人差し指をつきつけて、

 

 

 

 

 

 

「なら、奪えるまで何度でも実験してみましょう! クロロ団長さんの制約を明確化して、クリアできるよう細かな条件を変えながら検証してみる他ありません!」

 

 

 

 

 

「……いや、待て。理解していないようだから教えてやるが、俺の能力は他人の能力を奪う。奪うということは、奪われた相手はその能力を失い、使用できなくなるということだ。それでも、構わないというのか?」

 

 

 

 

 

「心得ています。でも、よく考えてみたら念の触手……テンタ君を構成しているのは念の泡のバクテリア、『驚愕の泡(アンビリーバブル)』という能力で、それが私の保持する全ての能力の基礎になっています。ということは、テンタ君を盗むには、まずはこの『驚愕の泡』を先に盗む必要があるのでは、と考えられますが、念の泡には適応する環境にあわせて数百種類のパターンが存在するため、例えその中の数種をうしなったとしても、問題なく能力が使用できるのでは――と仮定します」

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

「そっか。だとすればさっき発動したテンタ君は、私が普段深海で使用しているテンタ君とは別物だったんだ。陸上で、しかもオーラが枯渇した状態に対応した念の泡のバクテリアの集合体であり、少ないオーラを補うために捕食能力がケタ違いに跳ね上がってる。獲物からオーラを吸収する能力も高く、性格は極めて好戦的で攻撃的、と。なるほど……陸で戦う事なんてめったにないから気がつかなかったな」

 

 

 

 

 

 

「……おい」

 

 

 

 

 

 

「でも、もしそんな性質があるのだとしたら、クロロ団長さんに複雑な制約をクリアしてもらうよりも、私の念の泡をクロロ団長さんのオーラと共生させて、クロロ団長さんという生体環境に合わせたオリジナルのバクテリアを生み出し、クロロ団長さんという母胎の中で育成し、増幅させていった方が早いかもしれない。まずは、私とクロロ団長さん、両者の純粋な生体オーラを取り出して合成、分離、精製、確認を行い、その後に最適な管理条件と純度を調整し、バランスを整えた上で母胎に戻し、随時経過を観測するという形で実験と検証を行いたいと思いますが、いかがですか?」

 

 

 

 

 

 

「却下だ」

 

 

 

 

 

キッパリ、と答えるクロロ団長。

 

 

 

 

 

 

「うわあ……なんかそれ、聞けば聞くほど体外受精っぽいね」

 

 

 

 

 

 

「どうしよう、マチ。うちの団長が孕ませられちゃう」

 

 

 

 

 

「シズク。そういうことサラッと言わないで」

 

 

 

 

 

「陵辱触手モノか……マニアクだね」

 

 

 

 

 

 

「やめろ、フェイタン」

 

 

 

 

 

 

おや。

 

 

 

 

 

 

心なしか、私を取り巻く蜘蛛の面々が、一メートルほど距離をとっているような。

 

 

 

 

 

 

もしかして、ちょっと引かれてる……?

 

 

 

 

 

 

「べっ、別にそんな、変なことしようって訳じゃないですよ? オーラを取り出して合成して戻すだけですから! 痛い事なんてなんにも無いですから! むしろ、お好みでしたら気持ちいい方向で……」

 

 

 

 

 

 

「却下だ。少しでも俺に触手を近づけてみろ。全力で殺してやる」

 

 

 

 

 

 

「ええー……じ、じゃあ、聞きますか? 私の『驚愕の泡』についての能力とそれぞれの特性についての講義。まだ私の体内に戻していない、深海で調整中のサンプルを合わせたら1000以上ありますけど。ちなみに、クロロ団長さんの制約って、能力者から自分の念について聞き出すだけでいいんですか? それとも、クロロ団長自身がその能力について完璧に理解しなきゃいけないですか? もし後者だと、まずは生体オーラそのものについての認識と理解から必要かなと――」

 

 

 

 

 

 

「それも却下だ。今のを聞いて、お前の能力はお前自身が持っていた方が安全であり有効であると理解した。よって、もうお前の能力を奪おうとは思わない。だから、蜘蛛に入れ」

 

 

 

 

 

 

 

「A=Bはわかるんですけど、=Cっていうのはいささか無理がありすぎません……?」

 

 

 

 

 

 

両者とも、全く引く気が無い押し問答になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

ここでイルミが助けに来てくれたら、なんとか収拾がつきそうなのに……。

 

 

 

 

 

 

どうしよう、と考え込んでいたその時だ。

 

 

 

 

 

 

聞き慣れた携帯のアラーム音が、蜘蛛のアジトに響き渡った。

 

 

 

 

 

 

「私の携帯……」

 

 

 

 

 

「ああ、確かカフェにポーチも落ちていたな。その中に入っていたぞ――パクノダ」

 

 

 

 

 

「はい、団長」

 

 

 

 

 

スッと、手渡されたスマートフォンの画面に目を落とし、クロロ団長は私に尋ねる。

 

 

 

 

 

「イルミ……かと思ったが、違うな。キルアとは誰だ?」

 

 

 

 

 

「キルア? どうしてキルアが私に電話を……その子、イルミの弟なんです。私とはハンター同期で――」

 

 

 

 

 

プツッとアラームが切れ、着信が留守番電話に切り替わった。

 

 

 

 

 

『……もしもし、ポー? さっきミルキから連絡があってさ。お前、今どこにいるんだ? 無事なのかよ? オークションに行きたいのは分かるけどさ、あんま無茶すんなよ……これに気づいたら、一度連絡をくれ』

 

 

 

 

 

ふむ、とクロロ団長。

 

 

 

 

 

「手が早いな。だが、イルミが直接連絡を入れてこなかったところを見ると、奴が仕事中というのは本当のようだ。イルミの弟だと言ったな。こいつもゾルディックの殺し屋か?」

 

 

 

 

 

「いいえ、キルアは――」

 

 

 

 

 

家出中なんです、と答えようとしたその時、クロロ団長が耳に当てているスマホから、すうっと息を吸い込む音が聞こえた。

 

 

 

 

 

まさか……。

 

 

 

 

 

『幻影旅だああああああああああああああああああああああああああああああああああん!! ポーに何かしたら、許さないからなああああああああああああああああああああ――――――――っっ!!』

 

 

 

 

 

キィン……とこだまするハウリングエコー。

 

 

 

 

 

ビクッと肩を震わせたまま、硬直するクロロ団長。

 

 

 

 

 

あーあ。

 

 

 

 

 

もしかして鼓膜が破れたんじゃないだろうか。

 

 

 

 

 

そういえば、原作ではウボォーさんが陰獣の一人を大声で倒してたっけ。

 

 

 

 

 

ウィングさんもたいがい大声だけど、強化系の大声ってつくづく凶器だよね。

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

「団長! 大丈夫ですか、団長!!」

 

 

 

 

 

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

子犬のように、ぷるぷると頭を振るクロロ団長の姿は、なんだか可愛らしくもある。

 

 

 

 

 

 

そして、何事もなく私に向き直り、

 

 

 

 

 

 

「今のは何だ」

 

 

 

 

 

 

「ええっと、キルアの友達のゴンって子です……同じく、ハンター同期で、二人とは今年のハンター試験で出会って仲良くなって……それで、心配して連絡をくれたんだと思うんですけど」

 

 

 

 

 

 

「ふむ……」

 

 

 

 

 

 

小指で耳抜きをしつつ、思案気な団長。

 

 

 

 

 

スマホからは、『バカ! ほんとに蜘蛛に誘拐されてたらどうするつもりなんだよ! 誰彼構わず喧嘩売んじゃねぇバーカ!!』『バカじゃないやい! バカって言う奴がバカなんだい!』と、賑やかな声が漏れている。

 

 

 

 

 

やがて、録音時間が終わり、彼等の声も消えてしまった。

 

 

 

 

 

なんだか、こうしているとハンター試験の事を思い出す。

 

 

 

 

 

イルミとヒソかさんという、危険人物二人に囲まれながら、ゴンとキルアは私の癒やし空間だったよね……。

 

 

 

 

 

……ハンター試験?

 

 

 

 

 

 

「あー! そうだ!」

 

 

 

 

 

 

「何だ、急に」

 

 

 

 

 

 

ちょっと素でびっくりした様子で、クロロ団長。

 

 

 

 

 

いちかばちか。

 

 

 

 

 

言うだけ言ってみようと私は思った。

 

 

 

 

 

もし、この申し出を飲んで貰えたら、私は安全且つ自然に彼等と同行し、ヨークシン編に関わることが出来る上、オークションにだって間に合うかも知れない!

 

 

 

 

 

「あの! 私をテストして欲しいんですけど!」

 

 

 

 

 

「テスト……?」

 

 

 

 

 

「そうです。盗賊としての素質があるかどうか、蜘蛛としてやっていけるかどうか、今回のヨークシンでのお仕事に私も参加するので、テストして欲しいんです。幻影旅団の、入団試験を希望します!」

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

「試験管は全団員。全員一致で合格を出して貰えたなら、私は蜘蛛に入団します。一人でも反対なら不合格。私のことは諦めて、二度と迷惑な真似はしないこと。無事にイルミの元に返して下さいね」

 

 

 

 

 

 

「無意味だ。お前はもとより入団を拒んでいる。わざと邪魔をして、不合格を狙うのが目に見えている」

 

 

 

 

 

 

「あ、そうか……うーん……じゃあ、なにかやる気が出るような報酬を貰えたら、私も仕事が頑張れます。いくらお金を稼いでも、買えないようなものがいいですね」

 

 

 

 

 

 

クロロ団長の言い分はもっともだ。でも、なんとなく……受けてくれるんじゃないかという気がしていた。

 

 

 

 

 

 

そうだ、この人、なんとなくヒソカさんに感じが似ているからかもしれない。

 

 

 

 

 

 

退屈しているんだ。

 

 

 

 

 

 

だから、

 

 

 

 

 

 

「ふぅん……報酬、か。なるほど」

 

 

 

 

 

 

「実を言うと、私がハンターになったのも、成り行きでハンター試験に参加したのがきっかけだったんです。本当にやっていけるのか不安だらけでしたけど、私を合格にしてくれた先輩ハンターの皆さんや、試験での経験があったから、なんとかして来れたのかなって。だから、私を試して下さい」

 

 

 

 

 

 

まっ黒な瞳が、私を見つめている。

 

 

 

 

 

 

強い好奇心と、興味に底光りする、その瞳。

 

 

 

 

 

 

「いいだろう。報酬については、仕事が終わるまでに何にするか考えておけ」

 

 

 

 

 

 

「やったあ!! ありがとうございます、クロロ団長さん!!」

 

 

 

 

 

 

「おいおい。マジかよ、団長……」

 

 

 

 

 

 

「諦めるね、ノブナガ。こうなたら、止めても無駄よ」

 

 

 

 

 

 

めんどくさいことになった。

 

 

 

 

 

 

そんな雰囲気を醸し出す団員達の心境とは裏腹に、前代未聞の幻影旅団入団試験はこうして始まってしまったのであります!