私は無事(?)VIPルームへと入った。
一番近くにいたボーイを呼ぶとそっと耳打ちした。
「シャンパンお願。」
オーナー達が部屋に入る時の慌ただしさに乗じて既にイル兄は部屋にまぎれていた。
私はボーイに耳打ちすると同時にイル兄に視線を送る。
するとイル兄はそのボーイが一人になった所で気絶させて服を交換した。
イル兄が元の場所に戻った気配を感じると私は最後の仕上げに出た。
「じゃー一つゲームをしませんか?」
「ゲーム?」
「そう。ある場所にあるポッキーを割らずに引き抜けた人から私の相手をしてくれるって言うのはどう?」
そう言って私はスリットをめくると、3人の表情は一気に変わった。
左足のガーターベルトで止めたストッキングの間にポッキー3本指したのだ。
太もものから向かって内側・正面・外側。
「スタート」
小さな合図の声に生唾を飲む音が聞こえた。
そしてポッキーに顔を近づけ様とした瞬間3人の首にはイル兄の放ったエノキじゃなくて、針が寸分狂う事なく刺さった。
それを確認すると私は大声で叫んだ。
「きゃっきゃゃゃゃっっっ!!!!!!」
その声を聞きつけた警備員やボディーガード達がやってくる。
イル兄は私の背後に回る。
「気分が…。」
そう言うと私はイル兄に支えられるように部屋を出た。
そして騒ぎが広まった会場にまぎれて脱出した。
「お疲れさま。さっ!帰ろうか。」
そう言って振り返るとイル兄は何か考え込んでいた。
「どーかした??」
「いや、あーやってみると菜々実ってエッチなんだなって思って。」
「イヤイヤ!!お兄さん!仕事やからやっただけで、プライベートであんなんせんから!」
「キルはあんな菜々実知ってるのかな?」
「知らないに決まってるでしょーが!!子供にあんな遊び教えてどうするんだ!!」
あまりに突然のイル兄の爆弾発言(この人前もなんか爆弾発言してた気が…)に私はタジタジになってしまった。
「でもきっとキルも年の割にはませてるから菜々実が満足してない訳ではないんでしょ?」
「十分満足させていただいてます…ってそんな事答えさせるな!!」
「お兄ちゃんとしては心配なんだよ。可愛い弟が自分の彼女を満足させられてるか。」
「いや、そこ心配しなくて良いと思います。はい。」
「ホントにホント?満足してる?」
「してるってば!!今のままで十分です!!
イル兄はキルアのエッチさ知らんだけやもん!!」
「キルそんなにエッチなの?
もしかしてあんなことや、こんな事や、あっそんな事までしちゃってたり?
あれ??菜々実??大丈夫??」
私はイル兄の発言のエロさに顔を真っ赤にして思わず倒れてしまった。
「ごめんごめん。ちょっとからかい過ぎちゃった。」
イル兄は私の身体を支えながら声だけ笑っていた。
(相変わらずこの人本間に笑ってるんだか…)
「とりあえず帰ろうか?」
そう言って私達はそのままジェット機に乗り込むとゾル家を目指した。