菜々実・イル兄・ヒソカ・クロロが飲みに????
その目的は????
蜘蛛編後半のお話です。
☆…になりますので15歳未満は方はご遠慮ください。
目の前には綺麗な夜景。
見た目も味も申し分のない料理。
グラスには綺麗なピンク色のシャンパン。
目の前には黒にストライプのスーツにワインレッドのシャツを着たオレンジ色の髪をした男。
その隣には黒とグレーのシャツに黒のパンツがスタイルの良さを引き立てた綺麗な長い黒髪の男。
隣には白いシャツをラフに着崩し、白い額当てをしたセンター分けの男。
ウエイターやウエイトレスはみんな振り向いたり、頬を染めたりと落ち着きない様子で傍を通り過ぎていく。
そんな3人を目の前にして一体私にどうしろと!?
今から2時間前。
最近キルアと一緒に入れない事にストレスを溜めつつも素直に甘える事の出来ない私はヒソカを食事に誘った。
するとなぜかドレスコードを言いつけられた。
慌てて用意をして、言われたお店に着くとなぜかこのメンバー…。
「で?菜々実最近キルと一緒に入れてなくて溜まってるの?」
「イル兄その言い方何かエロいんですけど…。」
「へ~菜々実彼氏がいたのか?」
「そーいえば団長には言ってなかったな。」
「今日は僕たちがかまってあげるから、いっぱい食べて飲みなよ☆」
「ありがとう。…でもなぜこのメンバー???」
ヒソカ・イル兄・団長・私。
なんだかんだでみんな顔見知りだが、一同に会する事はないメンバーな気がする。
「キルはまだ子供だから、いろいろ大変だろうと思ってさ。」
「そうそう、大人が聞く方が菜々実もスッキリするかと思って声かけてみたんだ。」
「なるほどね(笑)じゃーお兄さん方にかまってもらおうかな(笑)」
そう言って私は目の前のシャンパンを手に取るとグッと勢いよく喉に流し込んだ。
良い調子で愚痴を言いながら飲み続けた私はいつも以上に酔いがまわり始めて今や絡み酒状態…。
「私だってもっと甘えたいけど、修行の邪魔してあげたくないし!でも一緒にいると私だっていい年してるからそれなりに刺激は欲しいし!でもまだ絶対一線越えるなんてできないし!!あ~~抱っこされたい!かまって欲しい!触って欲しい!触りたい!!」
私は徐々に本音が漏れ始め、しまいには完全な本音が炸裂していた。
「それって結局、欲求不満なんでしょ?」
「う~…。」
「そりゃ中途半端にしてるなら余計だな。」
「ちょっと!団長あからさま過ぎ!////っ!」
「いっそキルと別れちゃう?」
イル兄は真顔であっさりと爆弾発言をする。
「何でそうなるんよ!?」
「だってキルとはまだできないでしょ?」
「それは…だからって別れるのは話が別!!」
「でも不満溜まるんでしょ?」
「別れない!だって私キルアの事好きやし…。」
「好きなの?」
「好き。ただ私が甘えるとなんかキルアが戸惑うかなって。
年上やし…。」
「キルは菜々実が甘えたり頼ったりして困るようなタイプじゃないよ。
それに俺、そんな軟な育て方してないし。」
「イル兄…」
イル兄は手を伸ばして頭を撫でてくれた。
「じゃー今夜はたっぷり彼氏に甘えておいで?」
そう言って団長はレストランの窓から見える夜景でわなく、下の入口に立っている人影を指差す。
「え??」
「キルアはさっき呼んでおいたんだ。善は急げって言うでしょ??」
そう言ってヒソカはウインクしている。
「でっでも!!!!」
慌てる私を余所にイル兄は笑顔で何かをテーブルの上に置いた。
「キル、全部聞いてるからね。」
「えっ!?え~~~~~~~~~ぇ!???」
私はあまりにびっくりして思わず立ち上がってしまう。
店内はそこそこの時間になっていた事もあって、お客さんは疎らで私たち以外ほとんどいなかったのが救いだった。
「さっき電話で呼んだっていってたけど…。」
「うん。菜々実の本音が出きったと思ったら呼ぶ約束してたんだよ。」
「なんでこんな事…?」
「キルがさ、菜々実がたまに切ない目で自分を見てるって心配してたんだよ。」
「キルアが?」
「そっ。2日前にね。だから今日のお誘いはとってもいいタイミングだったわけ。」
「だからこんな全員集合なんや…。」
私は最初に感じた違和感に少し納得してしまった。
力が抜けた様に私は椅子にヘナヘナと座った。
「キルは菜々実に甘えて欲しいんだよ?」
「でも…」
私の言葉は聞きなれた声によってかき消された。
「俺前に言ったぜ?
姉御面してないで甘えろって。」
そう、ハンター試験の二次試験前に同じセリフを言われた事を思い出した。
あの時と同じ様にキルアは私に手を差し出していた。
「キルア…」
「あれ?キルちょっと来るの早くないかい?」
「話し聞いてたらなんか段々ムカついてきたんだよね。」
そう言ってキルアはイル兄を睨んでいる。
「俺何かしたっけ?」
「別れろとか言ってたの兄貴じゃん!」
「ああ~でもああ言ったほうが菜々実の本音が出ると思ってさ。
馬鹿だな~キルは、俺がお前が困る様な結果に持っていくわけないじゃないか。」
そう言ってイル兄はいつもの様に首をクリっと横に倒す。
「そんなのわかんね~じゃん!前は友達なんていらないとか言ってたくせに!」
「菜々実の事は認めてるよ?だから一緒に食事も行ったり、買い物いったりもするし。
この先大事な俺の妹になるわけだし。
ね?菜々実?」
「…。」
「菜々実?大丈夫か?」
状況を理解する事にいっぱいいっぱいになった私はイル兄やキルアの呼びかけに答える余裕何でなかった。
「ダメだ、完全に固まってるな。
ヒソカ俺達は一回アジトに戻るぞ。イルミ、菜々実を…」
「ああ、後は俺とキルで連れて帰るよ。」
団長の言葉を遮ってイル兄は答えると、ヒソカと団長の2人はおやすみ。といってレストランを出ていった。
「菜々実帰るよ?」
「おい!しっかりしろ!言いたい事いっぱいあるんだからホテル帰るぞ」
そう言ってキルアに腕を引かれて私はホテルへと帰った。
「じゃーイル兄またな。」
私を部屋へと入れるとイル兄はさっさと帰っていった。
「で?菜々実俺になにして欲しいって?
全部聞いてたんだから今更かくすなよ?」
「あの…全部っていつから?」
私はベッドに座って俯いたまま真っ赤な顔でキルアに投げかけた。
「菜々実が店に入ってきた時から。」
そう言ってキルアは私の横に腰をおろすと手を伸ばして私の顎を引き上げた。
「/////っ!!」
私は自分の言った言葉を思い返してさらに真っ赤になると、キルアはそれはそれは意地悪な微笑みを浮かべていた。
「言ってたこと全部してやろうか?」
「けっ結構です!!!!」
そう言ってキルアから離れようとすると腰に腕を回され身動きがとれなくなる。
「俺には言えなくて、ヒソカ達には言えるんだ?
そんな事許されると思ってんの?
俺結構傷ついちゃったんだけど?」
「え?」
「菜々実にとって俺って子供にしか映ってないって事だぜ?」
「そんなつもりじゃっ!」
「だったらちゃんと俺に言ってよ。菜々実が俺にして欲しいこと。」
「それは…。」
私は恥ずかしくてそんな事本人目の前にして言えるわけもなく固まってしまうとキルアはそっと耳元で囁いた。
「じゃー今から俺が聞いてた菜々実のして欲しい事全部するから覚悟しろ。」
「ぜっ全部っ!?っっっっ!!!」
言い終わると同時にキルアは私にキスすると、強引に唇を割ってかき乱した。
「…んっ・・・んん!!!」
結局キルアは言葉通り私の言っていた事を実行していった。
それから私は意識がもうろうとする中、ただキルアの名前を何度も呼んでいた。
~Fin~