お願×意地悪×今日はお休み ☆

第二段。

甘甘(笑)

さらに意地悪キルア(笑)

「ん~!!!!」

大きな伸びをしてベッドから降り、広間へ向かう。

今日はお休み。
でもキルアの姿はベッドにはなかった。

「おはよ。菜々姉。」

「ミルキおはよ。」

「あれ?キルは?」

「あっ!イル兄もおはよ。
キルア昨日仕事から帰ってきてないんよ。」

私はミルキとイル兄と朝食をとりながら最近のキルアの話をしていた。

「あいつ最近忙しそうだな?」

パンを口いっぱいに頬張ったミルキはいつもキルアが座る席に視線を送った。

「うん。なんかゴンとハンターの仕事行ってるらしいんやけど、ゴン曰く久しぶりの冒険だ!って嬉しそうやったし、たまにはいいかなって思ってさ。」

ここ数か月キルアは家にいない事が多かった。

帰ってきても変なお土産を持って帰ってきたり、着替えを取りに来たりするだけ。
ゴンも一緒だから2人で過ごす時間はなかった。

「その点奈々実は暇そうだよね?」

珈琲を飲みながら相変わらずの無表情のイル兄。
でも良く見ているとすごく微妙に表情が変わる。

「ハンターの仕事は一旦休憩。長期のが終わったからな。
暗殺の仕事も今は落ち着いてるし。」

私は特に表情を変える事無く耽々と答えた。

「昔みたいに淋しくなったりしないんだ?」

「ん~。昔ほどではないかな。」

「あの時は大変だったよな?
兄貴?」

「そうだね、ここで寝たり、ミケと寝たり。
俺達も一晩付き合ったりしたよね?」

数年前はキルアがいないのが淋しくてミルキやイル兄に迷惑をかけた事もあった。

実際淋しくない訳じゃない。
ただ、いい年してキルアがいないと淋しいなんて言えなくなってしまっていた。

その証拠に昨日は殆ど眠れなかった。

「さ!ちょっと買い物でもしてくるわ。」

私は朝食を終えると暇を持て余すのも勿体ないので買い物に出かけた。


結局一日ブラブラして買ったのは服数着とキルアのパジャマ。

今日もやっぱり帰ってくることのないキルア。

淋しさを紛らわす様にお酒を飲んでキルアのパジャマの上着を羽織ってベッドにもぐりこんだ。

 

なかなか寝付けずに寝返りばかり打ってると、寝室のドアが静かに開いた。

「キルア?」

「ごめん起こした?」

「ううん。大丈夫。」

急に帰ってきたキルアに驚きながらベッドを降りた私を見てキルアが固まっていた。

「それ…。」

キルアが指差したんは私が羽織っていたキルアのパジャマ。

「あ!いや!これは…その…。」

すっかり忘れていた私は慌ててしまう。

「ふ~ん。」

何か勘付いたキルアは意地悪な表情を浮かべていると、そのまま一歩ずつ私に近づくキルア。

「キルア??」

目の前まで来たキルアの目は驚くほど優しかった。

「寝ないのか?」

そっと私の髪を掴んで髪にキスする。

「寝るけど…キルアは?」

「寝るよ?でもそのまえに…」

そう言って私の耳元に顔を近づけた。

「家の淋しがりやさんが満足したらな?」

囁く様に言われた言葉に恥ずかしくなって思わず俯いた。

「べっ別にさびしがり屋じゃ…きゃっ!」

強がりを言い終える前にペロリとキルアは私の耳を舐めた。

「身体に聞くからいいよ。」

そのまま抱き上げられて後ろの棚に座らされた。

「キッキルア!?」

「黙ってて。
可愛い声しか聞く気ないから。」

そのまま私の首筋に顔を埋め舌を這わして行く。

いつも言わない様な甘いセリフに動揺しながらも私は強がりを続ける事が出来なくてキルアに身体を委ねていく。


「ここじゃ…いや…んん…、あ…あっ…」

次第に激しくなっていく感覚をキルアの頭を抱きかかえる様にしがみ付いて受け止めていく。

「だめ。このまま。」

「あっ…!!いっや…ゃ!!あああっっっ!!」


あっと言う間にキルアの指は密にまみれてしまっていた。

「ふ~ん。やっぱり淋しかったんじゃん。」

ニヤリと笑いながら指を舐めるキルアを私は恥ずかしくて見る事が出来なかった。

「素直じゃなかった罰。」

そんな私の心を知ってか知らずかキルアはそのまま私を抱いた。


「うっ…いやぁ…やん……あっ。」

棚に浅く座らされたまま抱かれる事が恥ずかしくて眼尻に涙が溜まってく。

それを拭う様に優しいキスをするキルア。
それとは裏腹に全く容赦なく突き上げられる刺激に私の身体の感覚は麻痺する様に痺れていく。

「俺のパジャマ着て寝るとか…可愛すぎ…覚悟出来てるんだろうな。」

 

「お願…い…もぉ…やぁっ!!」

いくら頼んでも容赦なしに貫かれる身体。

既に自分の身体を支える事すら出来ずにただただキルアにしがみ付いて声をあげることしかできなかった。

いつしかあまりの刺激に私は意識を手放した。

意識を手放す瞬間のキルアのキスは今までで一番優しかった気がする。






**********





眩しさに目を開けるといつの間にかベッドで寝ている事に気付いた。

腰と背中にはしっかりとキルアの腕が回されていた。

規則正しく寝息を立てるキルアの寝顔は昔と変わらず幼さを残している。

「素直じゃなくてごめんな…」

猫っ毛を指で梳かす様に撫でながら普段言えない言葉を口にした。

その瞬間、撫でていた腕を掴まれ寝ていたはずのキルアに掴まれていた。

「やっぱり淋しかったんじゃん。」

「…うん。」

驚きながらも素直に頷くと腕をグッと引っ張られてキルアの上に乗る格好になってしまう。

「淋しい時はちゃんと言えよ?」

「はい。」

赤くなった顔を隠す様にキルアの胸に顔を埋めた。

「で?まだ淋しい?」

優しく髪を撫でられながら言われた言葉。

「淋しい。今日は休んで一緒にいて…。」

聞き逃してしまいそうな、蚊の鳴く様な声で精一杯の勇気を振り絞って答えると、頭の上から優しい声が降ってきた。

「良く出来ました。
ゴンには昨日言ってあるから。気が済むまでそうやって甘えとけよ。」

「うん。ありがとう。」



~Fin~