幸せ×幸せ×Happy wedding

本日愛しのキルア誕生日です♪

冨樫先生が真面目に描いていれば今頃キルアはパパになってってもおかしくないお年頃…

と言う事でパパなキルアを…


無理…

だからせめてキルアと菜々実の未来の結婚式を書いてみました(笑)

 

 

 

 

キルアと出会って8年。


20歳を迎えた今日、とーとー結婚式をした。

結婚式といってもゾル家の家族と父親代わりのネテロ会長だけで行われた。

「何かあんまり実感ないな…」

真っ白のウエディングドレスを着たままの私は式も終り着替えの為に控室に戻っていた。

窓の外は真っ青で雲一つない晴天。

漏らしたつぶやきはスッと風に運ばれてどこかに消えていった。


「菜々実入るぜ?」

ドアが開くと同時にキルアが部屋へと入ってきた。

年々シルバさんに似てきたその顔は私の出会った頃とはまた違う表情を見せた。

結局殺し屋稼業をキルアは継いでいない。

今では過去のバイトのおかげで私の方が仕事を請け負う事の方が多くなっていた。

「俺の顔に何か付いてる?」

じっと見つめる視線にキルアはニヤリと笑いながら私に手を伸ばす。


「ちょっと昔を思い出してただけ。」

そう言って笑うとキルアは優しいキスを落とす。

ほとんど同じだった目線は今では見上げるほどになった。

優しく抱きしめられるとすっぽりとその腕の中に入ってしまう。


「今更後悔しても遅いぜ?」

「後悔なんてしてないよ。」

そう言ってキルアの背中に腕を回した。


「ごめん。なんかあっさりな結婚式で。ほんとはゴン達にも祝ってもらいたかったのにさ。」

「ううん。みんな忙しいしい。」


ハンター試験に蜘蛛との出来事。
そしてキメラアント。

色んな事件をくぐり抜けた仲間たちもみんな忙しい毎日を送っていた。

たまに電話で話す事はあっても会うのは1年に1度くらいのものだった。


ゴンは無事父であるジンさんに会えた。
少し一緒に旅もしたらしい。

レオリオは医師免許を無事取得して今は世界中を飛び回っては治療をしていた。

クラピカも無事仲間の緋の目を取り返し仲間の元へと戻した。

ヒソカは相変わらずでたまに顔を出してくれる。


数か月前ハンゾーに会ってお互い懐かしい話で盛り上がったり…。


フッと思いだして笑みがこぼれる。


「会いたい?」

「会いたいかも(笑)」

そう言って笑って額をくっつけるとキルアはふわりと私を抱きあげた。

子供に高い高いをするように持ち上げられた私はびっくりしながらもキルアの方に両手を置いて笑顔を向けた。

 

 

「ちょっとこのまま外で散歩でもする?」

「ドレス汚れるかも…」

「いいじゃん。折角作ったんだしさ。これで終わりじゃもったいないし。」

結婚が決まってすぐ、キルアはドレスは作ると言ってプレゼントしてくれた。

一度きりしか着ないドレスに何百万と掛ける事に私は不安を覚えながらもキルアの気持ちが嬉しくてそれを受け入れた。
見るのも着るのも今日が初めて。

デザインや生地はキルアが決めてくれた。

私はサイズを測られただけ(笑)

でも文句の付け様もないくらい素敵なドレスだった。

悩んでいた私は折角やし…とつぶやいてキルアと一緒に庭に出る事にした。


その前にもう一度教会にと言われてキルア腕に自分の腕をからませて教会の扉を開いた。

 

 

 

「うわ~~!!菜々実綺麗~~!!!」

「馬子にも衣装だな。相変わらず30には見えね~ぜ。」

「おめでとう。やっとだな、長かっただろう?」

「う~ん。菜々実綺麗だよ☆」

扉をあけた瞬間懐かしい声と共に懐かしい顔が揃っていた。

「ゴン!レオリオ!クラピカ!ヒソカ!!」

私は思わず名前を呼んだ。
するとその奥からどんどん懐かしい顔が現れる。

「あ~あ。結局私より先に行っちゃったの?」

「メンチは一生無理だって。」

「ホントに綺麗ですよ。」

「メンチさん!ブハラさん!サトツさん!」

あまりにびっくりして思わず私は足を止めるとキルアがそっと囁く。

「まだ奥にもいるぜ??」

そう言われて一歩一歩前へと進む。

「菜々実さん綺麗っス!!」

「本当ですね。キルア君も頼もしくなりましたね。」

「ホントに結婚まできちゃったんだね。びっくりだわさ。」

「ズシ!ウィングさん!ビスケ!!」

嬉しさのあまり目の奥が熱を持っていくのがわかる。

「折角綺麗なんですから笑ってください。」

「そうだな。キルアくんがとうとうか。」

「この姿が見たくて僕は…よかった。」

「ゴレイヌさん!ツェズゲラさん!!ナムさん!!」


「俺達も忘れるなよ。」

「うわ!!団長!?ってか蜘蛛!?」

「折角来たのにその扱い??」

「菜々実さんかなりの年下好きだったんですね?」

「ヒソカ相手じゃなくてよかったよ。」

「綺麗じゃねーか。」

「フン、棺桶に足突っ込んだネ」

「シャル!しずく!マチ!ノブナガ!フェイタン!!」

「おいおい俺達もいるぞ??」

「忘れてない?」

「俺もな。」


「フランクリン!パク!げ!ボノレノフ…」

「ふぉっふぉっふぉ。
いい風景じゃの??」

「会長…」

一番奥に着く頃には私の目から涙がぽろぽろとこぼれていた。

 

 

「菜々実?」

キルアは優しく微笑むと私の顔を覗きこんだ。

「菜々実と俺にとって大事な人たちの前でもう一回誓わせてよ?」

私の涙をぬぐいながら話しかけるその声は、今までの中で一番静かで澄んでいてでもとても力強いものだった。

「俺、菜々実と出会っていろんな事知ったんだ。
菜々実のおかげで友達も出来たし、イル兄や親父とも分かりあえた。
誰かをこんなに好きになって大事にしたいと思ったのも菜々実だからなんだ。
一生大事にする。だからこれからも俺のそばにいてくれる?」

見つめられる目が真剣で、さっき誓ったはずなのに初めて聞く言葉に胸が高鳴った。

「うん。ずっと一緒にいる。」

そう言って私は溢れる涙をこらえながら笑顔でキルアに答えた。

「菜々実愛してる。待たせてごめん。」

フルフルと首を横に振る。

みんなに祝福される嬉しさと、キルアの言葉が嬉しくて私は泣き笑いを浮かべていた顔も今では本気で泣いてしまって言葉が出なかった。

「俺の事愛してる?」

「愛...してる...」

震える声で必死で答えるとキルアは嬉しそうに頬を緩めて優しいキスをしてくれた。

キルアの首に腕を回して抱きつくと、キルアはクスリと笑いながら抱きしめてまたキスをしてくれる。


「さてみんな折角の祝いの席じゃ、久しぶりに会う者も多い。外でゆっくり食事でもどうかね??」

みんなの歓声がやむと会長が笑いながら提案してくれた。それと同時に教会のドアが開きビーンズさんが姿を現した。

「皆様庭にはパーティーの用意が出来ています。どうぞ。」


それを聞いてみんなはぞろぞろと外へと出て行く。

その背中を見ながら私はキルアの顔をみた。

「いつの間に??」

「結婚決まってすぐ。
会長がみんなに連絡してくれたんだぜ。きっと菜々実はみんな忙しいからって呼ばないつもりだろなって思ってさ。」


「キルア…」

「俺、今から考えたら昔ってホント餓鬼だったなって実感するんだぜ??
菜々実にいっぱい迷惑掛けて、我慢もさせたと思ってる。だから、こんな時くらい菜々実喜ばせたいじゃん♪」

「ありがとう…」

「泣き過ぎだって(笑)
みんな待ってるしいこうぜ?」

そう言って手を出してくれたキルアの手をとるともう一度優しくキスをしてくれた。

「大好き。」

「俺も大好き。」

2人で微笑みあったあと私達はみんなの元に向かった。

 

 

 

 

 

 

~おまけ~


「なんで団長達までいるんよ~!!!」

私は蜘蛛のメンバーの前で叫んでしまった。


「僕が呼んだんだ☆」


「ヒソカ!?」


「ちゃんと彼の許可は取ったよ??」

そう言ってクラピカを指差す。

それに気付いたクラピカはにこやかな顔のまま私達の輪の中に入ってきた。

「クラピカ…あの…」

様子をうかがう私の頭を撫でながら柔らかい微笑みを向けてくれる。

「緋の目は仲間の元に返せた。

私は菜々実に感謝してるのだ。
復讐は何も生まないと教えてくれた。

お前のおかげでちゃんと笑っていれるんだ。」

「クラピカ…」


「今日は大事な友人の祝いの席だ。
だが次に会った時はブラックリストハンターとして蜘蛛!お前は私が捕まえてやる。
覚悟しておくんだな。」


そう言ってフッと私に笑ってみんなの元に戻っていった。


「みんなはなんで??」

「結局メンバー誰も死んじゃいない。
俺達は特にお前と関わって損をした訳じゃない。」

そう言って団長は私の頭をなでると意地悪な笑みを浮かべた。

「団員にもどるか?
お前なら大歓迎だぞ?」

「勘弁。私クラピカに追われるなんて嫌(笑)」

そう言ってみんなで笑った。


~Fin~