今回は連載から数年後のお話。
そうです。20歳を超えたキルアと30歳の奈々実ちゃん♪
新婚さん生活中のお話…
ぐふふ。
「じゃ~シルバさん、よろしくね。」
シルバさんの部屋から出た私は執事室へと向かった。
「ゴトーさん!?」
「奈々実様わざわざお越しいただかなくてもこちらから…」
「あ~いいのいいの。
どっちにしろ外行く予定やからついでみたいなもん。」
私は深々と頭を下げるゴトーさんの言葉を遮ってソファーに座った。
「建築業者への連絡は終わってますのでご心配なく。」
珈琲を差し出しながら話すゴトーさんに笑顔を向けた。
「流石♪私今から家具とか電化製品見に行ってくるわ♪」
「お1人でですか!?」
「ん~、途中でイル兄とヒソカと合流して付き合ってもらうつもり。なんで?」
「もしお1人ならご一緒しようかと思いまして。」
控えめながらも心配してくれている様子に内心嬉しく思いながら、私は珈琲を飲み干すと立ち上がった。
「ありがとう♪
また1人の時は付き合って。
これから何回か買い物行くから。」
私はゴトーさんに見送られて買い物へと出かけた。
「ん~僕ならこっち★」
「俺ならこっちかな?」
「じゃ~これ!!」
私はイル兄とヒソカと合流すると家具や電化製品を見て回った。
「それにしてもびっくりだよ。奈々実が新築するとは思わなかった。」
「そ?新築って言っても今の家とは渡り廊下でつながる予定やし…」
「そうだよイルミ。
別に驚く事でもないと思うけど?」
「ずっと一緒に住むんだと思ったからさ。」
「悩んだんやけど、やっぱり2人でゆっくりしたい時とかもあるからさ。
それに自分の家って持ちたかったから。」
買物の途中で休憩がてらカフェでお茶をしていると、少し淋しそうな様子のイル兄。
「それにしてもキルアのいない間に勝手に建てちゃうところが菜々実らしいよね。」
「だってキルアが仕事でいーひんのが悪い。」
「帰ってきてからでも良かったんじゃないの?」
「え~思い立ったが吉日ってね♪文句があるなら実家に住んでてもらいます。」
そう言って笑うとイル兄に『早速別居?』とからかわれながら動き回って小腹の空いた私はケーキを口に運んだ。
買い物を終えて家に帰ると丁度業者さんが来る時間になっていた。
「お世話になります。」
「こちらこそよろしく。」
軽く挨拶を交わし、工事の日程や、詳しい段取りの説明をしてもらった。
「では明日から工事に入らせていただいますのでよろしくお願いします。」
業者さんは最初は緊張した様子だったが、打ち合わせをしていくうちに緊張も解れて、和気あいあいとした空気で打ち合わせが出来た。
完成予定は4ヶ月後。
キッチンはL時の対面キッチン10畳。
リビング28畳
ダイニング16畳
和室8畳が2部屋
2階には寝室(20畳)と仕事用の書斎(8畳)
子供部屋が2つ。
客室が2部屋(12畳)
どの部屋にも4畳のウォークインクローゼットとシャワールーム付き。
地下1階は
40畳の広間。
シアタールームにバーカウンター付き。
お風呂はヒノキ。
更に露天風呂(岩風呂)付き
リビンクからはウッドデッキに出られる。
煉瓦のBBQコンロ付き。
ちなみに寝室・地下にはワイン・シャンパンセラー付き(笑)
あっという間に完成した我が家。
新築の我が家の1階とゾル家をつなぐ渡り廊下も完成した。
新築我が家は完全プライベート空間の為、渡り廊下の入口には指紋認証ならぬ、オーラ認証が必要。
鍵の引き渡しを終えて先に買い物を済ませておいた家具や電化製品などが運び込まれた。
全てを業者に頼んでいたので私は見てるだけ。
「やっとできたか。
入ってもいいか?」
全ての作業が終わると、シルバさんとゼノさんがやってきた。
「ど~ぞ♪」
渡り廊下のドアロックを中から開けると2人は楽しそうに入ってきた。
「なかなかいい趣味だな。」
「露天風呂付きか!
いいの~。」
「じゃーゼノさんの今度の誕生日は露天風呂にしようか。」
「本当か!?そりゃうれしい。」
そんなやり取りをしていると、タイミングよくキルアが帰ってきたらしい。
「おい奈々実!これどーゆーことだよ!?」
簡単な説明をミルキから聞いたらしく慌てた様子で渡り廊下のドアの前で叫んでいる。
私はロックの開け方を説明するとロックが開いてキルアが入ってきた。
「うわ!すげ~!!」
なかの様子を見て思わず歓声を上げた。
「いいやろ~♪」
自慢げに言う私を見つけると急に真顔になって
近づいてくる。
「いいだろ~じゃねぇよ!?
俺に相談ぐらいしろよ!」
「だってキルアいんかったやん。それに買ったのは私!文句があるなら実家に住んで。」
私はプイっとそっぽを向くとキルアは負けじと声をあげる。
「誰もそんな事言ってねぇだろ!?
前もって言ってくれてもよかっただろ!?」
「そしたらキルアが帰ってきてから部面作って家具決めてってだんだん遅くなるやんか!!」
「そんな焦って買う必要あったのかよ!?」
「あったの!!
5年も温め続けた間取りなん!」
そう。5年。
私はこの世界に帰ってきてからずっとあこがっれてたマイホーム。
いくら広いと言えゾル家の中でシャツ1枚でうろうろしたりなんてできない。
休みの日にはゆっくり着替えもせずに過ごしたい事だってある。
そんな願いも込めて私は暇な時間にパソコンの建築ソフトで間取りを組んでいた。
「5年?」
「そう。ゾル家の皆は好きやし一緒に暮らしてても楽しいよ。
でも私、周りの目を気にせんともっとキルアとイチャイチャしたい時だってあるもん!!」
思わず本音が出て自分でもびっくりして固まってしまった。
そんな私を見てシルバさんとゼノさんはニヤリと口角をあげている。
「じゃー後は新婚さんでゆっくりしてもらおうかの。なぁシルバ?」
「ああ、そうだな。
またゆっくり見にくる。」
そう言って2人は家を出た。
私は真っ赤になって俯いてしまった。
キルアはと言うと私の意外な言葉に少し赤くなって口元を手で覆っている。
「あ、あの…今のは…その…」
しどろもどろになる私を見てキルアがニヤリと笑った。
「可愛い事言うじゃん。」
そう言って何の躊躇いもなく私を抱きあげると近くにあったソファーに寝かした。
そのまま覆いかぶさってキスする。
「周り気にしないで奈々実の事抱けるなんて最高。
覚悟しろよ。」
そう言って徐に服の中に手を滑らせて行く。
「やっ…あかん、きゃっ、やぁ……あ…っ」
勢い余って言ってしまった言葉に後悔を感じながらも思考が追い立てられていく。
「やっ……ぁ……っ!」
「……逃げんなよ。」
無意識にずり上がろうとする私の腰に手を掛け一気に引き戻すキルア。
これ以上逃がさいとばかりに上に覆いかぶさり攻め続ける。
「熱…んっ……も、無……んっ」
限界を告げる声をあげようとするとそのたびに唇を塞がれる。
愛情の深さや想いの強さを直接教え込まれる様に、何度もキルアは自分の身体を打ち付けた。
「とりあえず案内しろよ。」
そう言って裸のままソファーでうなだれる私に自分のシャツを差し出すキルア。
そのシャツを羽織ると私の手を掴んだ。
私は言われた通り、家の中を案内した。
「おい!お前のワインセラーがあって俺のお菓子部屋がないってどーゆー事だよ!?」
「はぁ!?お菓子部屋!?」
さっきまでの甘い時間を過ごした2人とは思えないような子供じみた言い合いに2人して笑い合いながら新しく住む家を見て回った。
~おまけ~
「それにしてもいくら5年温め続けたって言ってもポンと家買うか?普通?」
「いいの。でもいい感じやろ?」
「ま~確かに…。」
「じゃ~いいやん♪
今度新築祝い皆で出来たらいいな。」
「あぁ、それより奈々実?」
「きゃっ!やんっ…キルア…あ……っん…!」
~Fin~