今回は少し芽生えた兄妹愛?(笑)
キルアがいない時の兄妹は…
「奈々実?何時までそんな所で飲んでるつもり?
俺、キルの代わりに部屋まで運ぶのとか面倒だから。
さっさと部屋もとりなよ?」
「やだ…部屋戻るの嫌…。」
「なんで?」
「だって…。」
「部屋戻ってもキルがいなくてさびしいの?」
「うん。」
キルアが不在になって2ヶ月。
ネテロ会長から依頼されてゴンと2人でハンターとしてお仕事に行っている。
忙しいらしく、電話やメールも少ない。
「昨日もたしかそこで寝てたよね?
そんなに淋しいなら電話したら?」
イル兄は無表情でため息をつきながらもきっと心配してくれている。
「無理…。」
「奈々実って可愛くないよね?」
「兄貴さすがにそれは菜々姉でも可哀想だろ?」
大きな体を揺らしながら広間にやってきたミルキ。
「菜々姉、寝ないんだったらここで一緒にゲームでもする?」
「いいの?」
ミルキの突然の誘いに私は目を見開いて飛びついた。
「ああ。最近ずっとソファーで寝てるか、ミケの所にいるだろ?」
「うん…」
「ふ~ん。
じゃー俺も1本だけ付き合おうかな?」
そう言ってセラーに消えていったイル兄。
ミルキがゲームの準備をしている間にグラスとシャンパンを持って戻ってきた。
私はなんだかんだでこの2人に内心感謝しながら笑顔でソファーに座って2人の様子を見ていた。
それからミルキとゲームをしながら、イル兄とワインを飲んで、私はキルアのいない寂しさろ忘れて時間を過ごす事ができた。
いつの間にかゲームのコントローラーを握ったまま私はソファーで眠ってしまった。
「兄貴?菜々姉部屋に運ぶか?」
「ここの方がいいんじゃない?」
「俺、布団取ってくるから。」
ミルキは私の部屋から取ってきた布団をそっとかけてくれた。
「もしもし?キル?」
『珍しいじゃんイル兄から電話なんて。何かあったのかよ?』
「うん。大事件。」
『!!』
「奈々実が部屋で寝ないんだよ。」
『びっくりさせんなよ。』
「そお?俺からしたら大事件なんだけど?
なんせ毎日毎日広間のソファーかミケの所で寝てるんだよ?しかも理由は部屋でねたくないからって理由で。」
『なんで?』
「キルがいないベッドで寝るのが淋しいんだって。」
『なっ!!!!』
「だからさっさと帰ってきてくれないかな?俺とミルキもきになってあんまり寝れてないんだよね?」
『…わかった。今あいつどこで寝てんの?』
「目の前のソファーでぐっすり。」
『悪いんだけど部屋に運んでおいてくんない?俺今から一旦帰るから。』
「わかった。」
携帯の会話を聞いていたミルキはイル兄がこのあとどうするのかを伺っていた。
「ミルキ悪いけどやっぱり菜々実部屋に連れて行ってくれる?」
「わかった。キルはなんて?」
「これからすぐに帰ってくるってさ。」
「あいつも菜々姉が絡むと別人だよな。」
兄弟2人で可愛い弟と、その彼女…
なんだかんだで気になるようです。
~おまけ~
いつの間にか寝むってしまった私は寝返りをうとうとするとしっかりと腰に回された腕に阻まれる。
「え?」
思わず目を開けると目の前にキルアの寝顔が飛び込んできた。
「なんで…?」
「ん…菜々実おはよ。」
うっすらと眠そうに眼を開いたキルアは優しい笑みを浮かべて私の額にキスをした。
「淋しい時は淋しいって言えよ?」
「!!!////」
きっとイル兄かミルキが言ったという事に気がつくと私は真っ赤な顔を隠すように布団に潜った。
「今日はゆっくりできるから。」
「本間?」
「ああ。晩飯食って、菜々実が寝たらまた行くけど?」
「いつ帰ってくるの?」
「もう1週間くらいで帰ってこれると思う。」
私はその言葉に安心してキルアの胸に頬を寄せた。