16 朝だ!×ごはんだ!×ブレイクタイム!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ポーが24才だとおおおお!!!?」



朝御飯。



飛行船の食堂に、レオリオの突拍子のない声が響き渡った。



「信じられん……てっきりクラピカと同じくらいか、少なくとも年下だと思ってたぜ」



「驚きすぎ。だいたい、レオリオが10代っていう衝撃の事実よりはましでしょうが!」



「確かに。私も、それについてはいまだに信じていない」



「んだと、クラピカ!そう言うお前はいくつだってんだよ!」



「17だ」



若いなあ……。



「へー、24才だったら、たしかミトさんと同い年だよ?」



ズキッ!



「ミトさんて、ゴンの育ての親だろ?」



「うん!」



ズキズキッ!!



「ふーん。ポーって、見かけよりけっこうおばさ………ヒッ!!?」



練っ!!!!!!!!!!!!



悪意をこめた念を送ってやると、キルアは水に落っこちた猫みたいな顔をして固まった。



「カタカタカタ……(こら、ポー)」



「はっ!?」



いつの間にやら背後にきていたあのひとに、犬猫のよーに首根っこをひっつかまれてしまう。



トスッ、と落とされたのは、窓際のテーブル席だ。



「おはよ☆」



「ヒ、ヒソカさん……おはようございます。なななんでいきなり席移動……?」



「カタカタカタカタ……(ポーがこれ以上、ひとの弟に変なまねしないようにね)」



弟って……イルミ兄さん、それを教えてくれるのか?



「キルアのこと?」



「カタカタカタカタ……(なにそれ、白々しい。どうせ、このこともヒソカから聞いてるんだろ)」



「……」


ヒソカさん、お願いだから黙ってて下さい……!!



「ううん☆ボクは言ってないよ」



この鬼畜ピエロ!!!!



「カタカタカタカタ……(えっ、ほんと?まいったなー、余計なこと知られちゃった。俺が試験に参加してるってこととか、キルにバレたら本当にまずいんだけどなー)」



「言いません!言いませんから!!」



スココーン!!



「いたい!!!」



「カタカタカタカタ……(約束。ポーは何度言っても学習しないんだから、ほんと出来が悪いね。キルとは大違いだよ)」



グサリ。



「24才をおばさん呼ばわりしようとするようなデリカシーのないちびっこと比較するなあ!!」



「ポー、ポー☆今の、ギリギリの線だよ。キミの顔がグチャグチャになっちゃうのは見たくないからさ、少し黙って☆」



「むぐ!」



フォークの先に突き刺したホットケーキをひと欠片(しかも、ハチミツがたっぷりという甘党具合)、私の口に押し込むヒソカ。



おおう、見ると、イルミの手にはしっかりとエノキが握られているではないか。



危ないなあもう!!



「だって……だって、レオリオは盛大に驚くし、クラピカは固まるし、ゴンは私と育て親のミトさんが同い年だって無自覚に虐めるし、キルアにいたっては確実におばさんって言いかけてたし……!!わかってるんです、自分がもう若くないことは。ヒソカさんに青い果実青い果実言われるたびに、後ろめたい気持ちになってたんです……!!」



「そうなの?大丈夫☆ポーはまだまだ伸び盛りじゃないか。熟しきっても、腐ってもいないし、すごくおいしそ―――」



ドッス!



「カタカタカタカタ……(おっと、ホットケーキと間違えてヒソカの手のひら刺しちゃったよ。ははは、ごめんごめん)」



わざとだ……。



結局、私の分の朝食はこっちのテーブルに運ばれてきた。



仕方がないので、観念して頂くことにする。



焼きたてのホットケーキに、ベーコンエッグ。



サラダにスープ。



デザートにはプリンまで。



ハンター試験、意外と充実してるなぁ……。



次の試験会場には、昼前につくらしいと知らせがあった。

食後のコーヒーを飲みながら、(こちらも、ミルクあり砂糖ありのもはやカフェオレと化したものを)イルミが言った。



「カタカタカタカタ……(次の試験だけど、ポーはなるべく俺と一緒に行動すること)」



「え……っ!?」



「カタカタカタカタ……(……なに、その反応。ポーは俺に弟子入りしたんだろ。弟子が師匠の側にいるのは当然だと思うけど)」



ううう……まずいなあ。



オーラを触手に変える発なんて、見せると色々うるさそうだから、しばらく一人でこっそり練習しようと思ってたのに……!!



「カタカタ……(返事は?)」



「……はい」



 ええい、いいやもう。



なるようになれ第二弾!!